2021年のビジネス戦略に影響を与える5つの消費者トレンド

※本記事は英語でもご覧頂けます:Five Consumer Trends Influencing Business Strategies in 2021

2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生したことにより、ほとんどの産業が苦戦し、世界的な経済不況をもたらした。また、消費者行動に大きな変化が起こり、その多くが2021年の世の中で定着しつつある。ユーロモニターが世界中の企業関係者を対象に実施したサーベイ調査「ボイス・オブ・ザ・インダストリー:ライフスタイル」を見ると、企業の戦略や目標(産業を問わず、全回答者の3分の2近くが最重要目標だと答えた「回復」と「成長」を含む)に最も影響を与える消費者主導の5つのトレンドが浮かび上がってくる。

回答者が自社のビジネスに最も影響が大きいと考える5つの消費者トレンド

Source: Euromonitor International’s Voice of the Industry: Lifestyles survey, fielded November 2020 N=3541

新しい働き方を手に入れたコネクテッドコンシューマー(つながる消費者)たち

COVID-19は多くの産業において、新しい働き方の導入を加速させた。COVID-19危機が収束した後も、在宅勤務や柔軟な働き方に対するニーズは、多くの人(68%)にとって恒久的な変化として定着し、その結果、新しい日常習慣やルーチン、さらなる「デジタルな暮らし」へのシフトにつながるだろう。

在宅勤務やオンラインショッピング、また、エクササイズや学習、趣味の教室といった、従来対面で行われていた様々な活動のデジタル化がさらに進むことは、企業にとって、様々なプラットフォームを通してより多くの消費者にリーチし、関わり合いを持つ機会が増えることを意味している。消費者は暮らしの中で高まるデジタル化の重要性を受け、今まで以上にテクノロジーにお金を使うようになった。企業回答者の半分以上が、今後12か月の間に、消費者が新しいテクノロジーに使う金額が増えることを予想しており、28%は自社が現状から上手に回復し、事業の将来を見据えた戦略を策定するうえで最も重要な要素のひとつにテクノロジーの進化を挙げている。

新しいカスタマージャーニーと購買習慣

失業や収入減といった問題によって金銭的に苦労している人と、収入が安定している人とにかかわらず、消費者は今後12か月間、コストパフォーマンスを意識した製品の購入や貯金を意識するようになるなど、今まで以上に節約志向になることが予想されている。懐事情が厳しくなる中、消費者はプライベートブランドや低価格製品を重要視すると同時に、高品質かつ付加価値が付いた製品やサービスを選んで購入するなど、少ない品数をより賢く購入するようになるだろう。2020年に急速に進んだEコマースへのシフトを経て人々が引き続きオンラインショッピングを使用し続ける一方、多くの消費者は実店舗に戻ることを望んでいる。しかし、ウイルス感染収束の先行きが不透明な限り、安全性は重要課題であり続け、小売企業は買い物客を呼び戻すためにも、店舗内において健康、衛生、安全に配慮したイノベーションに対し、継続的な投資をしていく必要があるだろう。

向こう12か月間に見られるであろう消費者のお金の使い方の変化(2020年)

Source: Euromonitor International’s Voice of the Industry: Lifestyles survey, fielded November 2020 N=3063

健康的な生活の重要性

COVID-19により、健康的なライフスタイルを選択する人々が加速度的に増加した。感染の恐怖、度重なるロックダウンと規制措置は多くの人々にストレスや孤独、不安の高まりによる苦しみをもたらし、その結果、身体と心の健康の重要性はさらに高まった。48%の企業回答者が、今後12か月間に、消費者の医療関連支出が増加すると予測している。消費者間で高まり続ける心身の健康に対する重要性は、業界を問わず企業にとって明確な戦略課題となり、製品およびサービス、そして消費者の健康とウェルネスを常に意識したマーケティング戦略のさらなる進化につながる重要な機会をもたらすだろう。

求められるのは、よりパーソナライズされた消費者中心の戦略

企業回答者の約半数は、消費者のパーソナライズされた体験に対する期待値が高まっていると考えている。ショッピングとコミュニケーションがデジタルプラットフォーム内にしっかりと根付きつつある中、消費者は企業やブランドに対し、より自分の好みに合わせたサービスや製品を提供するといった、パーソナライズされた対応を求めるようになっている。業界を問わず、企業やブランドは消費者の共感を得るためにも、今まで以上に消費者中心の戦略、そして感情に訴えかけるようなエンゲージメントに注力していく必要がある。

商品開発、マーケティングそして販売戦略を、COVID-19の時代に大きく変化した消費者行動といかに合わせていくかが、企業が今後も必要とされ続け、未来に向かって回復と成長を続けるうえで極めて重要となる。

「ボイス・オブ・ザ・インダストリー」サーベイ調査からのさらなるインサイトについては、こちらの無料ビデオをご覧ください。: Using Survey Data to Measure the Impact of COVID-19 on Businesses and Consumers

また、同サーベイ調査のより詳しい定量情報や分析にご興味がある方は、こちらまでお問い合わせください。

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(翻訳:横山雅子)