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世界の家庭用エアコン市場は拡大傾向にあります。ユーロモニターの最新の家電市場調査結果によると、2017年、世界の市場規模は1億5千万台を記録し、今後も順調に成長を続け、2022年には1億8千万台に達すると当社は予測しています。

その背景には、健康や環境に気を使う消費者が増えたことに加え、アジアを中心に世帯収入の増加、顕在化するニッチな需要、そしてスマートエアコンの台頭が挙げられます。

 

世界の家庭用エアコン市場を牽引する中国とインド

世界最大の市場規模を誇る中国では、今後5年で、家庭用エアコン市場の販売台数は一億台を超えると当社は予測しています。その成長を支えるのが、中国家電メーカー各社の積極的なスマートエアコン開発、都市部における二台目需要、そして地方都市における一台目需要です。中国エアコンメーカーは現在90%以上のシェア(台数ベース)を占めており、中国国内における存在感が際立っています。それらメーカー各社が、スマートシステムを提供しているアリババやJD.comといった現地のEC企業と協働することで、その動きを活性化しています。都市部では各家庭に1台以上エアコンが浸透し、いかに2台目以降の需要を刺激できるか、が焦点になってきており、メーカー各社は女性向け製品や、部屋別に見られる用途を絞った製品でニッチな需要を満たす施策を行っています。地方都市では、住宅の空室率を減少させる政策が進んでおり、エアコン需要に好影響を及ぼすと考えられます。

一方、今後、世界の中でも急速な市場成長が期待されるインドはどうでしょうか。共に世界の家庭用エアコン市場を牽引する中国と大きく異なる点は、日本メーカーにも十分勝機があるということです。当社の調査結果によると、この10年でインドにおける日本メーカーの市場シェア合計は2%から21%へと大幅に拡大しました。それに大きく寄与しているのが、インド人消費者の、日本ブランド製品に対する品質への信頼です。インドでは、日本メーカーの製品は高価格帯に位置付けされますが、現地の厳しい気候にも耐える耐久性と冷房機能が受け入れられています。インドにおける家庭用エアコンの製品ライフサイクルはまだまだ導入期です。インバータエアコンの伸長や、都市部における可処分所得の上昇、その他市場を刺激する様々な政策を軸に、今後も安定的に市場は拡大を続け、2022年には2017年と比べ、170%伸長する見込みです。

 

海外メーカーを魅了するインド市場:機会と課題

インドでは現在、非インバータ型エアコンが主流です。しかし、2016年にインドエネルギー庁がインバータ型エアコンに省エネ指標を設けたことにより、節電能力の見える化が進みました。非インバータ型と比較すると高価格でありながら、徐々にインバータ型へのシフトが始まりました。更には、2018年より非インバータ型とインバータ型に対し同じ省エネ指標を適用することで、消費者にとってインバータ型の節電能力の良さが際立つようになり、今後同型へのシフトが加速すると考えられます。

2007年から2017年の間、インドの可処分所得は30%以上伸長しました。都市部に限るとその動きは顕著で、例えばデリーは同時期可処分所得が56%伸びました。可処分所得が伸びれば伸びるほど、今までエアコンを持てなかった消費者も購入できるようになり、地場ブランドの安価なエアコンを使用していた消費者も日本ブランドを含むプレミアムブランドへの買替をするようになっています。

インド政府も積極的に市場を活性化する政策を打ち出しています。一つめは電力未送達を0にすることです。現在インドには電気が通っていない世帯がおよそ4,000万にのぼると言われています。それが2018年末を目途に解消される見通しです。まずは冷蔵庫や扇風機といったより必需品が購入されると見られますが、長期的な視点に立つと、この動きは家庭用エアコン市場にとってプラスに働くでしょう。二つめは、“Make-in-India”政策により、国内製造業を活性化させることです。海外メーカーに対し、インド国内での製造機能や開発機能への投資が奨励され、生産コストが下がるために、消費者にとっては性能の良いエアコンが、以前に比べて求めやすくなることが考えられます。

一方で、メーカーの課題として、流通網の強化が挙げられます。業界トップのインドVoltas社は、全国に1万店舗以上の専売店を有しています。デリーやムンバイのような大都市のみならず、地方都市にも積極的に展開しています。その専売店を通して得られた消費者の声を製品開発に反映させるだけでなく、アフターサービスを充実させることで、顧客ロイヤリティを向上させています。日本メーカーの例を挙げると、ダイキン工業は2020年までに、専売店を業界トップレベルの1万店舗まで増やす計画を明らかにしています。インドは日本より国土が9倍近く広く、それぞれの地域で異なる気候条件、そして言語があります。従ってインド市場で成功するには、日本メーカー各社も綿密な流通網を築くことが必須になります。

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