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小売用衛生用品の世界トップ5に入るユニ・チャームは先日、ブラジル、南アフリカそしてメキシコに進出する計画であると発表した。海外進出に関して非常に積極的な同社だが、その決意の裏にはどの様な戦略があるのか、今後の障壁や可能性をユーロモニター・インターナショナルが分析・解説する。

縮小する日本市場から海外市場へ

小売用衛生用品メーカーのユニ・チャームは、その総売上の3分の2を衛生用品の先進市場である日本国内で稼ぎ出している。

日本の衛生用品市場は、2011年の小売市場規模が11.9億ドルと、世界3番目の市場であるが、金融危機の2009年以降、縮小傾向にある。高齢化社会と出生率の低下、一人当たりの高い支出といった要素により今後の市場成長は見込み難い。

ユニ・チャームは過去数年、日本国内での売上げが減少傾向であったが、2011年、再び売り上げを伸ばした。これは新商品開発および研究への注力、そして紙おむつのマミーポコや生理用品のソフィといった代表的ブランドのマーケティング・広告マーケティングへの投資によるものである。日本市場が縮小する中での前年比2%の売上増は勿論の事、全世界での総売上前年比プラス7%は、衛生用品カテゴリーのグローバル主要5社の中で最も好調な業績であった。いまだ国際市場におけるプレゼンスが限定的である事を考えると、現在の成長を維持するためにも積極的に海外進出することは、同社にとって至極当然ともいえる。

更に遠くの海外市場を目指す

保守的な日本企業が多い中、ユニチャームは積極的に海外進出を実施してきた数少ない会社のひとつである。2006年以来、サウジアラビアやオーストラリアの現地企業の買収を重ねており、近年の円高もその背中を押している。世界経済危機の際も、日本の同業企業の中で最高の業績を記録した。以前は日本に近い国外市場に集中していたが、2010年にはインド、ロシア、エジプトに進出、この度ブラジル、メキシコ、南アフリカへの進出を計画するなど、近年は本格的なグローバル市場への進出を図っている。

チャート1 2002-2011年までのユニチャーム世界進出図

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中南米地域では、ブラジルとメキシコが衛生用品の2大市場国である。向う5年間におけるこの2カ国の衛生用品の市場成長値の合計は、先進国全ての同カテゴリーの成長値合計を上回ると予測されている。特にブラジルは、中南米地域全体の市場成長の半分以上を占めるとされ、中でも紙おむつ製品の高い成長が予測されている。ユニチャームの強みとブラジル市場におけるニーズの高まりはぴったりと合致するが、ブラジルは中国に次ぐ新興市場であり、国内外の様々な競合企業が進出を急いでいる。最近では2011年に、SCAがブラジルの国内企業Pro Descartを買収した。現在、ブラジル市場内には様々な衛生用品ブランドが存在するが、十分な差別化が出来ていない。ユニチャームがブラジル市場で行うべきは、同社がインド市場進出時に行い功を奏した積極的な小売流通戦略、ブランド認知度の向上とロイヤルティの確立、そしてブラジル全土に市場浸透する事である。ユニチャームのブラジル市場進出は確実に既存の競合企業にとって脅威となる。現地企業と国際的メーカーの競争が激化により、衛生用品は価格は下がり、消費者にとってより手が届き易いものとなるだろう。

詳しくはユーロモニターインターナショナルのホーム&パーソナルケアのシニアアナリスト、セレナ・ジアンにご連絡下さい。

 

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