新たな時代に突入する小売業界で生き残るためのサバイバルガイド

※本記事は英語でもご覧頂けます:Survival Guide to the Future Retail Environment

小売業界の未来像を理解するためには、まず未来の消費者像を知らなければなりません。2030年には世帯数で、Z世代がミレニアル世代やX世代を追い抜きます。ちなみに、Z世代は1980年から1995年の間に生まれた世代を、ミレニアル世代およびX世代はそれ以前に生まれた世代を指します。

「明日の消費者」を待つ全く新しい世界

我々にとって将来顧客となるZ世代 にはいくつかの特徴があります。まず、この世代はテクノロジーを駆使して生活しており、いくつものスクリーンを同時に操作することが出来ます。ユーロモニターは、この世代を「デジタルネイティブ」と呼んでいます。

次に、彼ら は個人主義が尊重される社会に生きており、自分のやり方で物事をこなすことを好みます。生活コストが高まり続ける世の中に生きるこの世代の消費者は、お金の問題に対する意識が高く実用的な考えを持っています。また、異人種間の結婚が未だかつてない程増えるなど、この世代の人々は今まで以上に偏見がなく、寛容で多様性を受け入れる傾向にあります。

そして、彼らを語る上でもう一つ重要な要素が社会的責任の意識です。ユーロモニターが実施したライフスタイルサーベイ調査の結果によると、15歳から29歳までの回答者の28%が、「世界をより良くするために環境に優しく倫理的な製品を買いたい」と答えています。

将来の世帯や消費傾向にもたらされる大きな変化

さらにもう一歩進んで、Z世代 がどのような家族を形成するかを考えてみましょう。この世代は、自分の家庭を持つことよりも、自身の教育やキャリアといった個人的な関心事を優先しがちなため、結婚して家庭を築く時期が遅れる傾向にあります。また、男女の役割といった固定観念は薄れつつあることなどから、小売企業はより大きく、型にはまらない顧客基盤に向けて対応していくことが求められるようになります。

「お母さん、お父さんと二人の子ども達」といった家族写真は忘れましょう。Z世代 が築く家族は多文化で、必ずしも異性愛ではありません。世帯内に決定権を持つ人が2人以上いるケースもあり、企業やブランドは、ステレオタイプで陳腐なメッセージの発信を避ける必要があります。新型コロナウイルスの発生を受け、今後は巣ごもりトレンドがさらに広がることが予想されています。自宅は人々にとっての新たな拠点となり、これからの世代は仕事、社交、娯楽を自宅で行うようになります。 まだ若いにもかかわらず、Z世代は快適なスマートホームの購入を計画し、既に貯金をし始めています。

デジタル・トランスフォーメーションはデバイスだけに止まらない

これまでに述べてきた事柄は、小売企業にとってどのような意味を持つのでしょうか?企業は未来の消費者ニーズに合わせ、賢くテクノロジーを導入することによって将来に備えることが出来るようになります。Google(グーグル)のCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)によると、これまではデジタル革命の大部分はデバイスに特化したものでしたが、これからの数年間は、デバイスよりもAIアシスタントがデジタルの領域を牽引していくとのことです。

米国におけるAlexa (アレクサ)や中国のXiaoAI(シャオミ)を例にとると、今後はAmazon Echo(アマゾンエコー)のデバイスそのものよりも、それを動かす中核のテクノロジーが焦点となります。既にアレクサと玄関のドアベルや照明、鍵といった自宅設備との連携が見られています。シャオミもAIアシスタント、マイクとスピーカー機能が搭載されたマウスを開発しています。

ユーロモニターの最新レポート「Shopping Reinvented: How the Retailing Industry Can Safeguard its Future in the Decade Ahead」(無料)では、今日の小売企業がどのような広告キャンペーンを実施し、未来の消費者にアプローチしているかを、事例を交えて詳しく解説しています。併せて、ブランドや企業が長期的価値の提供やシェアリングエコノミーを促進するために、いかにしてデジタル技術を使いつつ、未来の家族が求めるニーズに対応しているかの事例も紹介しています。