先行きが不透明な時代に消費者と絆を築く

※本記事は英語でもご覧頂けます:Building Bonds with Consumers in Times of Uncertainty

世界的な健康危機が続く中、支出や心身の健康に関する懸念の高まりもあり、消費者が商品やサービスの選択に対してより慎重になるのは無理もないことです。消費者の購買行動に関するより深い知識や消費者マインドの変化を理解することは、これからの消費者に効果的に訴求し、競争力を保つために不可欠です。

ユーロモニターが2020年の1月から2月にかけて実施したライフスタイルサーベイ調査によると、世界全体の回答者の52%が「自分が完全に信用する企業またはブランドからしか買わない」とし、信頼感および責任感があり、約束通り配送してくれる小売業者だけを選んで利用すると回答していますが、この傾向はパンデミックによってさらに加速しています。

ライフスタイルサーベイ調査2020年
「自分が完全に信用する企業またはブランドからしか買わない」に「同意する」もしくは「強く同意する」を選んだ回答者の割合

Source: Euromonitor International 2020 Lifestyles Survey fielded Jan-Feb 2020

未だかつてないほど重要になった「おすすめ」

人々の生活はオンラインに移行し続けており、友人や信頼する人がSNSに上げる「おすすめ」に関するポストやメンション(@~)が、人々の購買判断にとってさらに重要な意味を持つようになっています。前述の2020年ライフスタイルサーベイ調査によると、世界全体の回答者の54%がSNS上のポストを「非常に重要だ/きわめて重要だ」と答えており、2017年から11%ポイント上昇しています。

消費者は製品やサービスに関する意見や評判を求める際、何よりも第一に友人や家族および(企業などから干渉されない)一般消費者の評価を参考にしています。この傾向は特に中東・アフリカ地域で顕著です。

ライフスタイルサーベイ調査2020年
買い物する際に影響力が大きい要素

Source: Euromonitor International 2020 Lifestyles Survey fielded Jan-Feb 2020.

ユーロモニターのライフスタイルレポートは、毎年実施されるライフスタイルサーベイ調査の結果から得られる洞察と、企業が消費者マインドの変化にどのように対応しているかを示す事例を併せて紹介しています。

・2020年に実施された当社のサーベイ調査によると、フランスの消費者の48%が「自分が完全に信用する企業またはブランドからしか買わない」と回答しました。COVID-19の発生を受け、「安全性」は新たに健康の一部となり、消費者は信頼できるブランドを選択しています。このことは、食品認証規格や、透明かつ信頼できるFarm to Fork(農場から食卓まで)プロセスを提供するサービスに市場機会をもたらしています。例えば、Danone(ダノン)は、Track & Connect(トラック・アンド・コネクト)というデジタルサービスを開始しました。同サービスは、ブロックチェーン技術を活用して同社の粉ミルク製品のサプライチェーンに関する情報を、透明性をもって消費者および小売業者に提供するものです。消費者はスマートフォンを使い、パッケージ上のQRコードを読み取り、粉ミルクが何時何処で生産されたのか、といった情報にアクセスすることで品質や製品が正規であることを確認することができます。

・ナイジェリアでは回答者の68%が、「健康的な原料が使用された食品を求める」と答えると同時に、67%が「今後、地元社会への関わりをより強めていく」と回答しました。企業は、変わりゆく消費者意識に適応し、自社の製品および戦略を変えていく必要性を認識しています。例えば、Nestlé (ネスレ)は2020年1月、ナイジェリア市場におけるシリアルブランドのGolden Morn (ゴールデンモーン)を、新しいパッケージと改良された栄養素と共に刷新しました。ゴールデンモーンのシリアルは、Grainsmart(グレインスマート)というネスレが開発した鉄分とビタミンA、B、Cの組み合わせによって栄養分が強化されています。また、同製品は100%ナイジェリア産の原材料およびパッケージ素材が使用されており、「ナイジェリア国内でナイジェリア人の手によって生産された」という事実を宣伝し、国内経済や地域社会、そして消費者の健康をサポートする姿勢をアピールしています。

・メキシコでは、60歳以上の回答者の35%が「目的追求型の企業およびブランドの製品・サービスを購入する」と答えています。AB InBev(ABインベブ)の子会社であるGrupo Modelo (グルポ・モデロ)が2020年4月に開始したデジタルプラットフォームTiendita Cerca (ティエンディータセルカ)は、消費者が電話やメッセージアプリを使って地元の商店に品物の注文と配達を頼むことができるサービスで、COVID-19危機の最中にいる地元経済を支援しています。消費者は、自宅に居ながら地元の商店で買い物をすることができる同サービスを歓迎しており、グルポ・モデロも先行きが不透明な時期においても目的追求型企業として消費者とつながりを再強化しています。

パンデミックが世界中で猛威を振い、COVID-19が人々の生活に経済的、感情的、そして心理的な影響をもたらす中、企業やブランドは、持続的で思慮深く、思いやりがある方法で消費者の心をつかみ続けていくことを求められています。

11の消費者タイプの特徴およびそれぞれの購買傾向についてより詳細に知りたい方は、当社の無料レポート「Understanding the Path to Purchase: 2020 Consumer Types」をダウンロードしてください。

本文中で言及されている、消費者ライフスタイルサーベイ調査のより詳しい定量情報や分析にご興味がある方は、こちらまでお問い合わせください。