ビジネスの将来のために知るべき5つの重要な世界の消費者インサイト

※本記事は英語でもご覧頂けます:Five Key Global Consumer Insights to Help Future Proof Your Business

ユーロモニターインターナショナルは、『ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:ライフスタイルサーベイ』を実施し、その調査結果から、5つの重要な消費者インサイトを特定した。同調査は、2021年初頭に世界40か国、4万人以上を対象に実施された。

世界の消費者は、値ごろ感、心の安定、リアルとデジタルが融合したライフスタイルを求めている。今後、これらのニーズを受け止め対応していく企業が業績を伸ばし、成長していくだろう。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックおよび世界的な不況の中で学んだことを教訓とし、自社ビジネスへの将来的な影響や混乱に備えることが重要になる。

支出に慎重な消費者

雇用の喪失、収入の減少、パンデミック収束後の経済の不透明さから、消費者は支出にさらに慎重になっており、コストパフォーマンスや個々の価値観が重要な判断材料となっている。

プライベートブランドや低価格の商品を求めることはあらゆる世代で共通しており、経済的に苦しい人たちだけでなく、すべての所得層でこの傾向が見られる。消費者が購入に対してより慎重になり、意識して商品を選択するようになる中、賢く買い物をするだけでなく、再利用やレンタル、リペアといった選択肢も、もはや欠かせないものになりつつある。今回の調査では、世界の消費者の29%が、ディスカウントストアの利用を増やすつもりだと回答している。

消費者は支出を減らし、低価格商品を探す一方で、コスパや支払った額に対しより大きな価値を求めるようになっている。これにより、「量より質」という考え方への移行が加速している。

企業にとっては、長く使える製品を消費者にアピールする機会をもたらしている。例えば、高品質な製品や多機能性製品、別用途での使用が可能な製品は、購入後、長期間にわたって使用することができる。

2021年の主要な支出傾向

勢いを増す社会活動

COVID-19が消費者を動揺させる中、自分自身のためだけでなく、他者のためにもより良くありたい、またそのように行動したい、という考えが広まり、社会活動への関心が急速に高まった。パンデミックが2年目に入ると、地球環境の保護だけでなく、社会的不正義に対して行動することに重きを置く人が増えており、世界の消費者の32%が、自分の社会的・政治的信念を支持するブランドや企業からしか購入しないと回答している。

消費者は明確に声を上げるようになり、社会的・政治的な問題に対する立場を表明するようになりつつある。生産過程にたずさわる人々に配慮せずに製造された商品や、社会全体の利益につながらない商品は購入したくないと思う消費者も多い。企業やブランドは、自社の理念や行動を慎重に選択し、製品やブランドをそれらに合わせていかなければならない。また、パフォーマンスと見られることを避け、真に思いやりのある本物の企業と見られることを目指し、消費者が自社の行動と彼らの購入を結び付けられるようにすることが求められている。

世代別 社会活動に基づく買い物傾向(2021年)

心の安定を念頭に

精神的な回復力が求められる中、消費者は自分の感情的なニーズをより良く理解するようになった。人々は生活を簡素化し、心配事がない暮らしを求めている。自分自身をより大切にするよう努める消費者が増え、瞑想やハーブ療法、ヨガなどのストレス解消法や運動に注目が集まっている。

心の健康への関心が高まるにつれ、メンタルヘルスや感情のバランスをサポートする製品やサービスへの需要が増えている。世界の消費者の35%が、今後数か月間に健康やウェルネスのための支出を増やすだろうと答えている。心の安定は健康全体に影響を及ぼすと考え、自身を脆弱だと感じている消費者に対し、自社の製品やサービスがどのようにサポートできるかを伝えることが大切である。ブランドや企業は今後、自社の製品やサービスを再定義し、心の安定にそれらがもたらす価値に重点を置く必要があるだろう。

ストレス軽減のための習慣(2020年/2021年)

定着しつつあるオンライン生活

COVID-19によってオンライン生活への移行が急速に加速し、多くの新しいバーチャルな習慣が日常化しつつある。消費者は、リアルとバーチャルが融合した世界に順応するようになり、対面・オンラインを問わず、生活、仕事、買い物、遊びをシームレスに行っている。

若年層の消費者は、COVID-19以前からすでに生活の中にデジタルを取り込むようになっていたが、パンデミックの影響により、バーチャルに移行する動きが加速した。ストリーミングサービスやフードデリバリー、バーチャルエンターテイメントのイベントなどは日常的に行われている。しかし、現在は若者層だけでなく、世界中であらゆる世代の消費者がオンライン空間に進出するようになった。

世界の企業やブランドは、今後生き残るためにも、消費者がオンライン、遠隔地、店頭など何処からでも簡単に閲覧できるようなウェブサイトやアプリを開発したり、あらゆる場面で消費者とつながるオンラインコンサルティングやバーチャルサービスを提供していく必要がある。

進化する自宅中心のライフスタイル

世界的に、消費者は時間をより創造的に使うようになったといえる。ストリーミングサービスやオンラインショッピングのある生活に移行することで、エクササイズレッスンや買い物といった行動に伴う時間的な制約が緩和され、多くの人々の生活に柔軟性が生まれたことで、これまでの日常生活は大きく変わりつつある。

バーチャルツアーや没入型アドベンチャー、コンサート、マスタークラス、ビデオゲームなど、自宅でできる体験への需要は軒並み急上昇している。今や消費者は、より多くのものを、自分に合った時間と価格で利用できるようになった。自宅を中心とした日常習慣や、特別な機会や外出に対する考え方の変化は、今後も続くものと思われる。

これらの消費者インサイトが自社の事業や製品分野にどのような影響をもたらすかについて、詳しい調査にご興味のある方は、こちらまでお問い合わせください。

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(翻訳:横山雅子)